フラメンコギターを弾くのに使うテクニックをざっと紹介します。
これらのテクニックを組み合わせてギターのソロ曲を弾いたり、伴奏に使ったりします。
フラメンコギターは今回紹介するテクニック全てを使わなけばいけないというわけでもなく、簡単にも弾けますし難しくすることも出来ます。その時の自分に合ったスタイルで楽しんでください^^
(★今回出てくる用語とか言っている意味が分からないことがあるかもしれません。動画でなんとなく感じをつかんでみてください。今後、テクニック別にさらに踏み込んで説明していく機会もあるかと思います^^)
◎アルペジオ
アルペジオというコードを分散して弾くテクニックです。
このテクニックを使った曲では、クラシックギターの「禁じられた遊び」が有名ですね!
下の動画は私がソレアという12拍子、マイナー系のフラメンコ曲ソレアの踊りの伴奏で使ったりするアルペジオです。
指を開いていたり、瞬間的に音を詰め込んでいるのでこれから始める人には難しく感じると思いますが、もっともっと単純できれいなアルペジオもたくさんありますので心配しないでくださいね!
◎ピカード
ピカード、この奏法はフラメンコの音色の大きな特徴の一つだと思います。
右手の薬指(m)と人差し指(i)でメロディー突き刺す様に印象的にメロディーを奏でる奏法です。
クラシックギターでも薬指(m)と人差し指(i)でいろんな旋律を奏でるのですが、フラメンコギターよりも丸い音で音質が違います。
クラシックギターがサウンドホール上でアルアイレ使って柔らかい音でメロディーを奏でるのに対して、フラメンコはブリッジ寄り(サウンドホールより指板と逆側)でアポヤンドで弾きます。
音は硬質で刺さる様な音になります。
もちろんクラシックギターでもアポヤンドもしっかり使い、表現によってはブリッジ側で固い音を出しますが、もちろんそれはフラメンコの音っぽい、スペインぽい音を出すためだと思います。
◎プルガール
プルガールはスペイン語でpulgarと書きます。
親指のことです。
上に書いたピカードは中指、人差し指でメロディーを弾きますが、親指(P)一本でもメロディーを弾きます。
スピードは指2本で弾くピカードの方が速く弾けたりしますが、プルガールではより太くしっかりした音で弾けます。
フラメンコギターリスト中には、ピカードよりもプルガールを多く使う人もたくさんいます。
極端な話、ピカードを使わなくてもプルガールだけでも大丈夫です^^
◎アルサプーア
このアルサープアというのは、フラメンコ特有のテクニックです。
他のギター音楽には無いのですが、フラメンコで一番有名なギターリストパコ・デ・ルシアの「アルマライマ」という曲のテーマが有名です^^
ブレリアというのは高速な12拍子の曲です。
下の動画はフラメンコのタンゴでのアルサプーアの使用例です。
上記のプルガールと同様に親指を使うのですが、普通のプルガールがダウンだけで弾いているのに対してアルサプーアはダウンアップでリズムを刻んでいきます。(詳しくはまた改めて記事にします)
◎トレモロ
トレモロと言えば、クラシックギターの「アルハンブラの想い出」が有名ですね!
実はフラメンコではクラシックギターよりもトレモロを使います。
フラメンコギターのソロ曲の演奏ではトレモロパートが結構出て来ます。
下の動画はフラメンコのグアヒーラという12拍子系の明るい曲で私が使うトレモロです。
トレモロは見た目ほど難しくなく、意外と弾きやすいですよ^^
◎ラスゲアード
ラスゲアード、これもフラメンコらしい奏法です。
左手で押さえたコードを右手でかき鳴らすのですが、フラメンコギターを情熱的にしている要因の1つですね!
複数のやり方が存在し、人によって違ったりしますが、代表的なラスゲアードを2つ紹介しておきます。
〇指によるラスゲアード
先ずは薬指(a)、中指(m)、人差し指(i)を使ったラスゲアードです。
(★小指も普通に使いますが今回は使いません。)
順番はaダウン、mダウン、iダウン、iアップで16分、4連を刻んでいます。
|タカタカ・タカタカ・タンタン|
ソレアという形式は、ゆっくりの12拍子で前半6拍は3拍子です。
〇腕の回転を伴ったラスゲアード)
こちらは踊りの伴奏によく使うダイナミックなラスゲアードです。
リストの回転というか腕全体の動きまで連動させるとさらにダイナミックになります。
下の動画ではアレグリアス(12拍子の明るい曲)のジャマーダ(〆みたいなもの)を弾いています。
親指(P)のアップ-中指(m)+人差し指(i)のダウン-親指(P)のダウンで3連を刻むのが基本です。
◎スラー
スラーです。リガードと言う時もある様です。
エレキギターとかをされたことがある方ならハンマリングとかプリングという名前で知っているかと思います。
スラーは左手の指で弦をハンマーの様に叩いて音を出すハンマリングとその逆で、左手の指で弦をはじいて音を出すプリングの総称ということになります。
下の動画は分かりにくいかと思いますが、単音のメロディーは全て右手の指ではじいているわけではなく、左手指を使ったスラーを使っています。
スラーを使うと音が滑らかにつながったり、全て右手指で弾くよりも右手に余裕が出来て楽に演奏できるメリットもあります。
◎その他
他にもスライドとかゴルペ、親指(P)と人差し指(i)のコンビネーションによるテクニックとかありますが、必要になったらその時に覚えれば全然問題ありません。
mi-saのクラスでは、生徒さんに合わせてソロの練習曲や伴奏で弾くことが出来るイントロや間奏などを練習しながら無理なく覚えて頂こうと思います^^
あとがき
いかがですか?いろいろなテクニックがある様に思いますが、曲を練習しながら楽しんで自然と身につけていきましょう!
玄人志向の方にはもちろん各々のテクニックに特化したエクササイズ(基礎練習)も用意しています。
幸いフラメンコは自由度が高く、必ずしも全部のテクニックが出来ないと弾けないというものではありません。
その時出来る範囲で楽しんでソロを弾いたり伴奏をしたりしていきましょうね^^